Pages

Thursday, August 6, 2020

コラム:米通信市場に「対中防壁」築けるか、報復以外に弊害も - ロイター (Reuters Japan)

[香港/サンフランシスコ 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米政府が国内通信市場に「対中国の防壁」を設けるという構想を実現するのは至難の業だ。ポンペオ国務長官は、米国のインターネットから中国の通信企業、アプリ、クラウドサービスなどを追い払いたい考え。事実上、情報面で中国を遮断することを狙っており、他国も追随するよう望んでいる。

8月6日、米政府が国内通信市場に「対中国の防壁」を設けるという構想を実現するのは至難の業だ。写真はトランプ米大統領。ワシントンで7月撮影(2020年 ロイター/Carlos Barria)

いわゆる「クリーンネットワーク」プログラムは本来、ホワイトハウスが中国大手通信機器の華為技術(ファーウェイ)に対する規制の一環として導入した。ポンペオ氏は5日、このプログラムを大幅に拡充。例えば中国移動(チャイナ・モバイル)(0941.HK)などのサービスプロバイダーは米国の通信ネットワークへのアクセスを拒絶され、チャイナ・モバイルの中国本土における顧客が米国でローミング接続できなくなる可能性がある。グーグルプレイやiTunesなどのアプリストアでは不審な中国製アプリが排除されることになるし、ファーウェイのアプリストアにおけるフェイスブック(FB.O)などの機能も米国で提供できなくなってもおかしくない。

米企業は、テンセント(騰訊控股)(0700.HK)ないしアリババ(BABA.N) (9988.HK)といった中国企業が運営するクラウドサービスに重要データを保管するのも取りやめなければならない。これは中国で事業を展開する米企業にとってコストの点で相当頭の痛い問題になりそうだ。さらに米政府は、中国の情報機関が世界中のデータセンターをつなぐ海底ケーブルを悪用するのを阻止することも提案した。ホワイトハウスは、海底ケーブルというインフラで米国が現在優位にあると胸を張っている。なぜならアジアから太平洋を通っている20本前後のケーブルは全て、米西海岸が終点となっているからだ。

クリーンネットワーク・プログラムは、既にインストールされたテンセントのメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」などを米国内で使用するのを禁止はしていない。そこはインドと異なっている。ただ今後別の方法で使用が止められるかもしれない。

新たな規制が技術的に、そして法的にどのように実行されるかは不透明だ。1つ例を挙げれば、国務省にはグーグルに中国製アプリの排除を強制する権限はない。

確実に予想されるのは中国の報復だ。中国を訪れる米企業幹部は、自分のスマートフォンのSIMカードでローミングができない事態が起きる恐れがある。データ共有のハードルが高まれば、企業として国内と海外の事業を一体的に進めるのが難しくなる。ロディアム・グループの試算では、これによって累計4000億ドルを超える米中間の直接投資が危険にさらされる。世界で最も不安定な両国の商業関係が、一層大きく後退するのも間違いない。

●背景となるニュース

*ポンペオ米国務長官は5日、「クリーンネットワーク」プログラムを拡充し、5つの取り組みを通じて中国共産党を含む「悪意ある行動者」から米国の重要な情報インフラやデータを守る方針を示した。[nL4N2F74PI]

*ポンペオ氏は(1)米国の通信ネットワークに対する中国の通信企業の接続禁止(2)米国拠点の販売網からの「信用できない」中国製アプリの排除(3)ファーウェイなど中国携帯電話メーカーに米国製ソフト・アプリのプレインストールをさせない措置(4)中国企業がアクセスできるクラウドサービスに米企業が重要データを保管することを禁止(5)中国情報機関による海底ケーブル悪用の阻止――を提案した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

Let's block ads! (Why?)



"市場" - Google ニュース
August 07, 2020 at 09:44AM
https://ift.tt/2Px4z52

コラム:米通信市場に「対中防壁」築けるか、報復以外に弊害も - ロイター (Reuters Japan)
"市場" - Google ニュース
https://ift.tt/33JpYNe
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment