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Tuesday, May 5, 2020

原油市場混乱 追加減産で価格の安定図れ - 読売新聞

 原油市場の混乱が続いている。世界経済に打撃が及ばぬよう、産油国が協調して価格の安定に努めるべきだ。

 今年1月に1バレル=60ドル台をつけたニューヨークの原油先物相場は、3月に20ドル程度に急落した。4月20日には、史上初めて価格がマイナスになった。

 価格がゼロでも買い手が見つからず、売り手が金を払って原油を引き取ってもらう状態だ。異常な事態というほかはない。

 ニューヨーク市場では、原油先物を保有したまま決済期日を迎えると、現物を引き取る必要がある。利ざやを狙う投機筋は通常、受け取りを想定していない。

 期日が近づく中、新型コロナウイルス流行による需要減で在庫が積み上がった。原油貯蔵施設の余裕がなくなり、投げ売りしたのだろう。相場はプラスに回復したが、現在も20ドル前後にとどまる。

 価格急落の引き金を引いたのは産油国自身である。3月上旬に、価格下支えを目指した協調減産を巡る交渉で主要産油国のサウジアラビアとロシアが決裂し、逆に増産の方針すら示した。

 シェア(占有率)を拡大して原油市場の主導権を握る狙いが裏目に出た。感染症の蔓延まんえんという不測の事態があったとはいえ、自業自得と言わざるを得まい。

 原油価格の下落は、日本のような消費国への恩恵は大きいが、金融市場を動揺させる恐れがある。産油国が財政悪化で市場からオイルマネーを引き揚げると、世界的な株安を招きかねない。

 米国で、シェールオイルの生産企業が相次いで破綻する懸念もある。社債を持つファンドや融資する金融機関の損失が膨らんで、世界に金融不安が広がれば、日本の企業や家計も打撃は免れない。

 各国政府は、価格動向と下落の影響を注視すべきである。

 問題は、原油価格をどのように安定させていくかだ。

 サウジなどの石油輸出国機構(OPEC)に、ロシアなどを加えた「OPECプラス」は4月12日、日量970万バレルという過去最大規模の減産で合意した。

 だが、感染症による需要減は日量3000万バレルに迫るという。追加的な協調減産が求められる。

 世界最大の産油国である米国が枠組みに加わっていないことも、減産の実効性を弱めている。

 国営のサウジなどと異なり民間企業に生産抑制を強いるのは難しいが、今は緊急時である。米国はもとより、カナダなど他の産油国も減産に協力してもらいたい。

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