タイに納入された日工製のアスファルトプラント（同社提供）
アスファルトプラント大手の日工（兵庫県明石市）は、タイ市場に本格参入する。リーマン・ショックの影響でいったん撤退したが、道路整備が活発な東南アジアでの需要増に対応。現地と周辺諸国で販売と保守・点検を手掛ける。
２月末に「Ｎｉｋｋｏ Ａｓｉａ（Ｔｈａｉｌａｎｄ）」を首都バンコクに設立。資本金は１５００万バーツ（約５５００万円）で、日工が４９％を出資し、残りを現地の日系金融機関が拠出した。
新会社は、道路の舗装などに使うアスファルトの製造プラントを日本から輸入してタイで販売するほか、将来的にはベトナムやマレーシア、インドネシアなどにも輸出する。
日工によると、同社製のプラントは現在、タイで市場シェアの５０％を握り、大半は中古品。新品の半値程度だが、商品力に定評があり、日本のブローカーが、日工とは別のルートで仕入れて販売しているという。
新会社は自前で中古品を販売することで、メンテナンスの需要を取り込む。プラントの更新時に、顧客のニーズに応じて中古品を販売できる利点もあるという。今後はプラントの生産にも乗り出す方針で、現在、工場の候補地を絞り込んでいる。
新会社の売上高は２０２０年３月期に３億円、２５年３月期には１７億円を目指す。２１年３月期の黒字転換を見込んでいる。
新会社の山本陽介社長は「中古プラントの利幅は小さいが、国力がついた時に新品の購入につながる」としている。日工は０６年、バンコクに販売会社を設立したが、リーマン・ショックの影響などで売り上げが低迷し、０９年に撤退した。（塩津あかね）
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March 06, 2020 at 06:31AM
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