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Friday, October 30, 2020

わずか3万円の格安ノートパソコンで仕事も遊びもできるッ! サードウェーブの意欲作「VF-AD4」を使い倒す - PC Watch

jengkolpasar.blogspot.com
3万円のノートパソコン「THIRDWAVE VF-AD4」(税別29,980円)でどんなことができるのか、いろいろ試してみた

 お金をかければかけるほど、パソコンは高い性能を手に入れることができる。でも、湯水のようにお金を使える人なんてそうそういない。だいたいは使い道とそれに最低限必要な性能を考えて、そのなかで「できるだけ安く、できるだけ高性能なもの」を追い求めることだろう。要するに「コストパフォーマンスが高いもの」を選びたいわけだ。

 そういう意味で、ドスパラGALLERIAで知られるサードウェーブが自社名をブランドに据えた「THIRDWAVE VF-AD4」というノートパソコンは、ちょっとおもしろい存在だ。

 税別29,980円という3万円を切る低価格は、これまでの感覚だと「Webブラウジング専用」と割り切って扱われるレベルの製品だったかもしれない。しかし、VF-AD4の中身はどうやら違う。じっくり使っていくと「ただ安いだけのノートパソコンじゃないな」と思わせてくれるのだ。

 一体VF-AD4のどこが「ただ安いだけじゃない」のだろうか。いろいろといじり倒して見えてくる、脅威のコストパフォーマンスの高さをみなさんにご覧に入れたい。とりあえず3万円と、できればあと5千円くらいを握りしめながら、いつでも購入ボタンを押せるように準備しつつ読み進めていただければ幸いだ。

3万円とは思えない至れり尽くせりな1台

14型ノートパソコンの「VF-AD4」

 簡単に説明すると、THIRDWAVEブランドの「VF-AD4」は14型のノートパソコン。CPUに最大2.6GHzのデュアルコアCeleron N4000を、ストレージに64GBのeMMCをそれぞれ採用している。メモリ容量は4GBと少なめで、このあたりのハードウェアスペックは「3万円」の価格相応かな、と思える部分だろう。

CPUはデュアルコア

CPUはCeleron N4000。ローエンドに近いが、しっかりデュアルコアとなっている

 ただ、14型の非光沢液晶ディスプレイはフルHD(1,920×1,080ドット)で精細度は高い。14型のおかげかキーボードのピッチにも余裕があり、タイプした印象は15.6型クラスのノートパソコンのようだ。それでいて、筐体は14mm(ゴム脚を除く)と薄く、約1.28kgと十分に軽量。バッテリも約8.6時間もつというから、あちこち持ち運ぶことを考えたときのモバイル性能もなかなか高い。ファンレス設計で静かなのも特徴だ。

キーボードは十分に使いやすい

キーピッチは広めで、まるで15.6型クラスのよう

重すぎず大きすぎずで持ち運びもしやすい

かなりの薄型でビジネスバッグにも余裕で収まる
持ち歩いたときのサイズ感はこんな雰囲気

 インターフェイス類も充実している。USB 3.0の充電兼用Type-CポートとType-Aポートを1つずつ、USB 2.0ポートを1つ備え、Micro HDMIの映像出力端子とマイク・ヘッドフォン端子もある。有線LANはないものの、Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)まで対応する無線LANがあり、microSDXCカードスロットと、HD画質(最大1,280×720ドット)のWebカメラを内蔵している。

 おまけにWindows Hello対応の指紋認証センサーを搭載し、標準OSがWindows 10 Proということもあって、セキュリティにシビアでActive Directoryなどへの対応が必要となるビジネス用途にも対応可能。国内メーカー製品という安心感もあるから、わりと至れり尽くせりな1台なのだ。

指紋認証センサーまでついてインターフェイスは充実

左側面にはUSB 3.0のType-CポートとType-Aポート、Micro HDMIがある
右側面にはUSB 2.0ポートとmicroSDXC対応カードスロット、マイク・ヘッドフォン端子
HD画質のWebカメラを内蔵。こちらはWindows Helloには対応しない
Windows Hello対応の指紋認証センサーでWindowsのログオンなどが簡単、安全に

M.2 SSDの増設でストレージ大容量化、高速化が可能

 以上のスペックだけ見てもかなりお得感が漂う構成に思えるのだが、VF-AD4のいいところがさらにもう1つある。それはSATA接続のM.2 SSDスロット(Type 2280用)が用意されていることだ。

じつはM.2 SSDを増設可能

底面のカバーを開けるとM.2 SSDスロットにアクセスできる

 正直なところ、内蔵の64GBのストレージだけでは、OSとちょっとした実務アプリケーションをインストールしただけでわりともうキツキツである。格安ノートパソコンが「Webブラウジング専用」と見られがちだったのは、このあたりのストレージ不足によるところが大きかったのではないだろうか。

 が、VF-AD4であればM.2 SSDで大容量・高速化が可能だ。用途は大きく広がることになるので、何はなくとも、とりあえずSSDは増設しておきたい。ものにもよるが、現状250GBのSATA M.2 SSDなら実売価格は5千円前後。筆者が手元で確認したところでは250GBのSSDはもちろん、500GBのSSDもきちんと認識してくれた。

容量を増やしたいならM.2 SSDを用意しよう

250GBと500GBのSSD。SATA接続の250GBなら実売価格は5千円前後だ

 SSDのスロットには底面のフタを開けるだけでアクセスできる。精密ドライバー1本で済むので作業自体は難しくないが、注意しておきたいポイントもある。とくに気をつけたいのは差し込むときに表裏を間違えやすいところだ。写真にあるように、SSDの端子の左右に分かれている部分のうち、接点数の多いほうが手前(パソコン正面)側に来る、ということを覚えておこう。

M.2 SSDを装着

写真左側が手前(パソコン正面)方向。SSDの両端の端子数が5本のほうを手前側に来るようにして装着する
SSDを差し込み、固定用のネジを軽く締めて、カバーをすれば完了だ

 なお、ユーザーがSSDの増設を行なうと、サードウェーブによるメーカー保証の対象外となることだけ注意しよう。慎重に作業すれば壊してしまうことはないと思うが、あくまでも自己責任ということを覚えておきたい。

SSD化で速度はどうなる? 増設したSSDの有効利用の方法とは?

 SSDにすることで、元々のeMMCの内蔵ストレージよりデータ転送が高速化されることが期待できる。では、実際にどれくらい速くなるのか、ベンチマークを実行して確かめてみた。

 結果は以下の画像のとおりで、リード/ライトのいずれもおおよそ2~5倍の速度に。ここまで変わるとファイルのアクセスやコピーなど、実用時の体感速度もずいぶん変わってくる。5千円以上を追加投資する価値はおおいにあるだろう。

内蔵ドライブと増設M.2 SSDを速度比較

内蔵eMMC(左)とM.2 SSD(右)のベンチマーク結果

 できればSSDのほうをメインの起動ドライブとして使いたいなあ……と思ってしまうのだが、残念ながら起動ドライブを変更する設定項目はBIOS上で見つけられなかった。なので、最初からあるeMMCのストレージはシステム用とし、それ以外のアプリケーション、データ類をできるだけSSDで運用するのが良さそうだ。

 新たなアプリケーションは必ずSSDにインストールする、という部分は手動になってしまうが、それ以外のデータ類の保管先についてはWindows 10側の設定を変更しておくと便利だ。

 たとえばユーザーフォルダ内の「ドキュメント」、「ピクチャ」、「ビデオ」、「ダウンロード」といった、デフォルトでシステムドライブを保管先にしているものは、個別にほかのドライブ(とパス)に変えることができる。

 以下では例として「ドキュメント」フォルダの保管先の変更手順を紹介しているが、ほかのフォルダも同じ手順だ。

ドキュメントの場所をM.2 SSDに変更する

(1)エクスプローラで「ドキュメント」を右クリックし、プロパティを表示
(2)「場所」タブの「移動(M)...」ボタンでSSD上のパスを指定する
(3)「フォルダーの移動」のダイアログが表示されるので、「はい」で移動すれば変更完了

 クラウドストレージのOneDriveと同期するローカルフォルダについてもSSDに移動しておきたい。そうすれば、知らないうちに共有データでストレージを圧迫されるような状況も回避できるはずだ。こちらはドキュメントフォルダなどとは手順が異なるので、以下を参考にしてほしい。

OneDriveの場所をM.2 SSDに変更する

(1)タスクトレイにあるOneDriveのアイコンをクリックし、「ヘルプと設定」のサブメニューから「設定」を選ぶ
(2)「アカウント」タブの「このPCのリンク解除」をクリック
(3)OneDriveの既存フォルダをSSDへ移動
(4)OneDriveに改めてログインする
(5)警告画面では「このフォルダーを使用」をクリック。これで移行完了となる

テレワーク、出先で活用。モバイルバッテリでも高速充電可能なUSB PD対応

 SSDを増設して大容量かつ高速になったVF-AD4は、どんな場面で活躍させられるだろうか。まずおすすめしたいのは、今時らしいテレワークなシーンだ。

外でも問題なく使える

気分転換に公園で仕事

 充電はUSB Type-Cポートが兼ねていると最初のほうで説明したのだが、このポート、じつはUSB PDに対応している。付属のACアダプタももちろんUSB PD対応で、最大出力は45W。そこそこ出力が大きいわりにコンパクトなサイズで、同様に付属しているUSBケーブルと一緒に持ち運ぶのも苦ではない。

出力45WのUSB PD対応充電機が付属

付属のUSB PD対応ACアダプタとUSBケーブル

 電源を確保しにくい場所、たとえばサテライトオフィスの共有スペースやカフェなんかでは、モバイルバッテリと組み合わせるのもアリだ。最近ではUSB PDに対応する大容量モバイルバッテリが数千円程度で手に入るので、モバイルシーンでも安価に高速充電環境を整えられるだろう。

 すでに説明したように、内蔵バッテリで約8.6時間動作するとされているので、おおよそ1日の仕事を充電なしで乗り切れるスタミナはある。それでも重い処理でフルパワーを出してしまうと電池切れの不安はある。USB PD対応のモバイルバッテリで高速充電できるのは、いざというときのことも考えると心強い。

USB PDモバイルバッテリももちろん利用可能

USB PD対応のモバイルバッテリがあればいざというときも安心

Type-Cケーブル1本でマルチディスプレイ環境。トリプルディスプレイも

 さらにもう1つ、VF-AD4のUSB Type-Cポートの注目すべきポイントが、DisplayPort Alt Modeに対応していること。つまり、同じく対応する外部ディスプレイと組み合わせることで、USBケーブル1本で外部ディスプレイに映像出力でき、しかも同時にVF-AD4に給電までしてくれるのだ。

Type-Cポートから画面出力と給電を同時に

USB Type-Cケーブル1本で外部ディスプレイと接続。デュアルディスプレイ化

 筆者が試したところでは、WQHD(2,560×1,440ドット)の外部ディスプレイとUSB Type-Cケーブルで接続するだけで、本体画面も外部ディスプレイも両方最高解像度で表示できた。もちろん給電も問題なし。作業スペースが広くない在宅勤務でも、オフィスでも、ケーブル1本ですっきり、すばやくセッティングできるのはありがたい。

DisplayPort/USB PD対応のType-Cポートは左側に

外部ディスプレイに映像出力すると同時にVF-AD4に給電。ケーブルが少なく、デスクを広く使えるのもうれしい

 USB Type-Cポートの隣にはMicro HDMIポートも用意されているので、USB Type-Cを利用できない外部ディスプレイの場合はこちらを使う。USB Type-C接続のディスプレイと合わせればトリプルディスプレイ化もでき、さらなる業務効率アップを目指せるに違いない。

3画面同時出力もできる

Micro HDMIポートもあわせて使えば……
トリプルディスプレイに

 なお、付属のUSB Type-Cケーブルは充電専用のためか、映像出力には利用できないようだ。別途DisplayPort Alt Modeの映像出力に対応したケーブルを用意しよう。

5Gbpsの速度を活かした外部SSD、microSDでさらなる大容量を

 SSDを増設できるとは言え、M.2のスロットは1つだけ。もっと大容量のストレージがたくさんほしい、という人もいるかもしれない。そういうときには2つあるUSB 3.0ポートや、microSDカードスロットを活用しよう。

 USB 3.0ポートでは最大5Gbpsのデータ転送速度を実現できる。手元にあった外部SSDで試してみると、以下のベンチマーク結果にあるようにeMMCの1.5~2倍近いリード/ライト速度を叩き出した。ほかのパソコンと共用する大容量データなんかは外部SSDに保管しておいて、内蔵ストレージを圧迫させないようにする、という使い方も良さそうだ。

容量確保のために外部ストレージを使うのもアリ

USB 3.0ポートに外部SSDを接続
内蔵eMMC(左)と外部SSD(右)のベンチマーク結果

 読み書き速度の面では大きく劣ってしまうが、microSDカードを臨時のデータ保管先にするアイデアもある。挿入時は完全に筐体内に収まり出っ張らないので、装着したまま持ち運びしても破損する心配はない。M.2 SSDにUSB、さらにはmicroSDという拡張インターフェイスを最大限に活用することで、ストレージの問題は完全に解決できるだろう。

microSDを挿したまま常用可能

microSDカードスロットを臨時のデータ置き場にするのもアリ
装着時は出っ張らないので、ノートパソコン本体をそのままカバンに入れても破損の心配はない

Officeアプリケーションは軽快に動作

 VF-AD4には、Office互換アプリケーションとして「WPS Office」がプリインストールされている。ただ、業務用途だとMicrosoftのOfficeアプリケーションを利用したい場合が多いはずだ。スペック的には非力な感が否めないVF-AD4ではあるけれど、Officeアプリケーションは快適に使えるのだろうか。

 と思ってMicrosoft 365のExcel、Word、PowerPointをインストールしてひととおり使ってみたところ、なんと思った以上に軽快に動作してくれた。アプリケーション側の動作の軽量化の努力も大きいのだろうとは思うが、起動に待たされることはほとんどなく、大量の数値からなる3次元グラフの表示、編集も、Word文書の編集も、あるいはPowerPointのスライド表示もじつに軽快だ。

3画面を使っても動作は軽快

トリプルディスプレイ状態でOfficeアプリケーション(とWebブラウザなど)を動かしてみた。起動も、編集作業も、意外にも軽快だ

内蔵Webカメラ&マイクでフツーにビデオ会議できる

 テレワークと言えばビデオ会議。今や多くの人がZoomなどのビデオ会議ツールでオンラインミーティングをこなしていることと思う。動画や音声を扱うので、パソコンにある程度高い処理能力を求められそうだけれど、VF-AD4でも何の問題もなく利用可能だ。内蔵のWebカメラはHD解像度(1,280×720ドット)ということで、高精細・高画質、というほどのものではないけれど、多くの場合HD画質程度にとどまるビデオ会議では必要十分な性能だろう。

Webカメラはヒンジの上部に

WebカメラでZoomを試してみる

 筆者がいつもビデオ会議に使っているアクションカムの映像と並べてみると、精細さはやや劣るものの、コントラストが若干強調される感じに調整されているようで、くっきりはっきりした見た目でむしろ好印象。実際のビデオ会議中のストリーミング映像でも、拡大すれば粗が目立つことがあるとは言え許容範囲内。

 視野角も狭すぎず「フツーに使える」画質。内蔵マイクによる音質も余計なノイズが混じったりすることはなく、ビデオ会議した相手によれば「全然フツー」とのことで、良好のようだ。

Webカメラの画質は結構キレイ

下の画面がVF-AD4のカメラの映像。左上は筆者がデスクトップパソコンで使っているアクションカムの映像
映像が圧縮されている影響ももちろんあるが、大きく表示するとのっぺりした感じは出てくる

 ただ、残念ながらというか、当然ながらというか、Zoomのバーチャル背景をグリーンバックなしに利用することは不可能だった。単純にCPUスペックが不足しているからだ。フツーにビデオ会議するならフツーに使えるが、ちょっと凝った背景にしたいなら素直にグリーンバックを吊り下げよう。

Zoomのバーチャル背景は標準では使えなかった

バーチャル背景を利用するにはグリーンバックが必要だ

シンクライアントとして使えばサクサク操作で高速処理もOK

 近頃はサーバー側で処理するクラウドサービスを利用することが増え、一般的なデスクワークでは、ローカル上で重い処理をする頻度は多少減っては来ている。しかしそれでも、写真や動画の編集などを完全にクラウドに移行することは難しく、ローカルの処理速度に頼らざるを得ない場面もまだまだある。

 かと言ってVF-AD4で写真や動画の編集をガンガンやれるかというと、もちろん厳しい。そこで検討したいのがVF-AD4のシンクライアント的な活用方法。リモートからより性能の高いデスクトップパソコンにアクセスし、そのパソコン上で作業できるようにする、いわゆる「リモートデスクトップ」機能を使うのだ。現在、NTT東日本などが実証実験中の「シン・テレワークシステム」がもっとも利用しやすいだろう。

NTT東日本のリモートデスクトップサービスを利用

 「シン・テレワークシステム」では、サーバー側となる接続先パソコンと、クライアント側となるVF-AD4、それぞれで専用のソフトウェアをインストールし、簡単な初期設定をするだけで、LAN内や遠く離れたところにあるパソコンのデスクトップにアクセスできる。接続先は自宅のデスクトップパソコンでもいいし、会社側の許可が得られればオフィス内の自分のパソコンでもいい。

シン・テレワークシステムを使ってみた

たとえばVF-AD4からオフィスにあるパソコンのデスクトップに接続できる

 このときVF-AD4側では、リモートのデスクトップの情報やイメージをデータ転送するネットワーク処理が中心となる。なので、そのための最低限の性能があればいいわけだ。ある程度高速なインターネット回線の帯域と、十分な性能を持ったリモートパソコンであれば、重い処理でもサクサクこなせるはず。VF-AD4のモバイル性能を活かして好きな場所でリラックスしつつ、デスクトップパソコンの高速処理性能を利用して仕事する、なんてことも可能になる。

重い処理はリモートデスクトップにお任せ

デュアルディスプレイでデスクトップパソコンに接続。ヘビーな画像編集作業なども驚くほど快適

フルHD画質の動画を滑らかに再生。3Dゲームは……

 ビジネス用途ばかりでVF-AD4を使うのはもったいない。プライベートでも楽しく使いたいではないか! ということで、NetflixやYouTubeなどの高画質の動画配信サービスと、3Dゲームも試してみた。

 結論から言えば、動画については何の問題もなし。フルHDの映像を再生するときにローディングに時間がかかったり、コマ落ちしたりすることもなく、スムーズに再生してくれる。ちょっとイレギュラーだが、同時にビデオ会議しながら映画を再生しても普通に見ることができたし、ビデオ会議の会話にも不都合はなく、マルチタスクな使い方にも耐えられた(会議中に映画を見ることの是非は置いといて)。

ストリーミングサービスも問題なし

NetflixやYouTubeのフルHD動画も問題なくスムーズに再生してくれる

 ゲームのほうはどうかというと、さすがに3D CGバリバリのゲームは厳しい。というか、VF-AD4のCPUに統合されたGPU(Intel UHD Graphics 600)には荷が重いのか、いくつかのゲームはエラーで起動すらしないこともあった。

 ただ、2Dグラフィックス主体のゲームや、そこまで負荷の高くない3Dゲームであれば、快適とは言えないまでも、遊ぶことはできる。でもまあ、ゲームを思いっきり楽しみたいのであれば、やはりゲーミングパソコンなどに任せたほうがよさそう。

3Dゲームはさすがに厳しい

3Dグラフィックでも、そこまで負荷の高くないゲームなら遊べる
フレームレートは低いので、すごく快適、というわけにはいかないけれど……
バーチャルサイクリングソフトの「Zwift」も試してみた。こちらもフレームレートは低いが、十分に楽しめるレベル

ライブ配信用パソコンとしても健闘してくれる

 動画にゲームとくれば、ライブ配信である。YouTubeやFacebook、Twitchなど、いろいろなプラットフォームで誰でも簡単にライブ配信できるようになり、すでに趣味のアクティビティやゲームプレーの様子を披露している人もいるはず。仮にゲーム配信するとして、VF-AD4を配信用のサブパソコンとして使えれば、メインのゲーム用パソコンの負荷を下げることができ、その性能をゲームのためだけにフルに発揮できるだろう。

 VF-AD4はWebカメラを内蔵していることもあるので、単純に自分の姿を映して配信するだけなら簡単だ。また、ゲーム画面の隅に小窓(ワイプ)でカメラ映像も表示させるような見せ方をしたいときは、ほかのパソコンで表示させているゲーム画面を別途用意したキャプチャデバイスで取り込み、配信ソフトの「OBS Studio」などで2つの映像を合成することが考えられる。

OBS Studioを使って動画配信

内蔵カメラとマイクだけで配信するなら、追加のハードウェアなしでできるので簡単

 試しにゲーム画面とカメラ映像を取り込み、HD画質で配信した場合、CPUはつねに40~50%ほどを占有し、フレームレートは30~35fpsあたりだった。高いフレームレートで滑らかに見せたいゲーム映像を配信するときは力不足を感じるところがありそうだが、細かい動きを見せる必要のない配信内容であればVF-AD4で十分にまかなうことができそうだ。

VF-AD4を配信用のサブ機として利用する

ほかのパソコンのゲーム画面をキャプチャデバイスでVF-AD4に入力、VF-AD4のカメラ映像と合成した。滑らかな映像を見せたいときは厳しいが、フレームレートにシビアではない内容なら問題なさそう

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