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Thursday, August 13, 2020

コラム:巨大市場のインド、TikTok買収では蚊帳の外 - ロイター (Reuters Japan)

[ムンバイ 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)傘下の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を考えるとき、「残存価値」は地域によって異なるようだ。米マイクロソフト(MSFT.O)はティックトックの米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの事業買収を巡って交渉中。一方、ティックトックとの事前協議が伝えられた米ツイッター(TWTR.N)が関心があるのは米国事業だけのもよう。ここでは、ユーザー数でティックトック最大の市場であるインドは蚊帳の外だ。

 中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)傘下の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を考えるとき、「残存価値」は地域によって異なるようだ。写真はティックトックのロゴ。2019年2月撮影(2020年 ロイター/Danish Siddiqui)

マイクロソフトはこれまでは新興国市場に対する取り組みで人目を引いてきた。同社のインド生まれのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は昨年、インドの複合企業リライアンス・インダストリーズ(RELI.NS)の年次株主総会に対し、秋波を送った。両社は10年間の提携をぶち上げたのだ。マイクロソフトのクラウドサービス「Azure(アジュール)」展開のためリライアンス側が新データセンターを設置することなどだ。

ツイッターにとっても、他の外資系IT企業と同様、インドはユーザー数で世界最大級の市場とみられる。

調査会社センサータワーによると、インドでのティックトックのダウンロード6億1100万回は、同社全体の30%に相当する。

インド事業が俎上に出てこないのは、実務的な問題が一因かもしれない。マイクロソフトにしろ、ツイッターにしろ、合意に際しては中国との裏口からのつながりを断ったと米政府内の懐疑派を納得させる必要がある。これはインド政府に対しても同様だろう。インド政府は6月に既にティックトックのアプリを禁止した。

広告主にとっては、インドのユーザーは、より裕福な市場のユーザーほど貴重ではない。インドのおびただしい地方言語に対応する必要性も運営上の難題となり、コストを高める。

買収価格も障壁となる。Breakingviewsの推計では、ティックトックの価値は全体では240億ドルを超える可能性がある。これほどの金額はツイッターのバランスシートを大きく圧迫することになる。

だが、インド事業買収に言及が出ないのは政治的理由もある。インドのモディ政権は、「自立した」インドというあいまいな構想を掲げている。これは中国の習近平政権ととてもよく似ている。つまり、将来的にはティックトックに似たインド製アプリのチンガリやミトロン、ロポソなどが政策的に支援される可能性が示唆される。ツイッター出資の動画共有アプリ「Moj」のシャアチャットや、米ズームに極めて類似したビデオ会議サービスのリライアンス傘下ジオミートも同様だろう。

インド政府は中国政府と完全に同じ手法は取らないかもしれない。中国政府は海外の競合勢を中国市場から締め出すことで、検索サイト大手の百度(バイドゥ)(BIDU.O)やインターネット大手の騰訊控股(テンセント)(0700.HK)が巨大企業へと成長するのを助けてきた。とは言え、インド市場について外国の買い手が用心するのはもっともだろう。

●背景となるニュース

*ツイッターはティックトックの米国事業買収への関心を表明するため、中国の親会社バイトダンスに接触した。ロイターが9日、事情に詳しい関係者2人の話として伝えた。

*マイクロソフトは2日、ティックトックの事業買収交渉は米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの事業が対象と表明。ティックトックの少数株取得を他の米投資家に持ちかける可能性も示唆した。

*関係者がロイターに語ったところによると、マイクロソフトはティックトックの全事業を買収する意向は示していない。これは英フィナンシャル・タイムズ紙が6日、マイクロソフトによる買収はティックトックの全世界の事業が対象になる可能性があると報じたのと矛盾する。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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