東京市場で株安・円高、債券は大幅高－リスクオフ一色の動き (３) - ブルームバーグ

新型コロナウイルス感染拡大への不安で既に脆弱（ぜいじゃく）な世界経済に原油の 価格引き下げ競争が追い打ちをかけるとの懸念が浮上し、９日の東京金融市場では、リスクオフ一色の動きとなっている。

　　為替市場のドル・円相場は大幅続落し、一時2016年11月以来の１ドル＝101円62銭まで急落。リスク回避の動きが強まる中、原油価格の急落が資源国通貨や新興国通貨に波及し、クロス円中心に円高が加速している。東京株式市場はＴＯＰＩＸと日経平均株価の下落率が５％超え、ほぼ 全面安。日経平均は１年２カ月ぶりとなる２万円を割り込んだ。

東京証券取引所

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

　　一方で、債券市場は大幅高となった。長期金利の指標とされる新発10年物国債利回りがマイナス0.20％と、昨年10月以来の低水準まで 達し、リスク回避の買いが優勢となっている。

　　菅義偉官房長官は同日午前の定例会見で、株安・円高が進んでいることについて「日々の動きについてコメントは差し控えるが、市場動向については十分な注視を行っている」と語った。その上で、日本経済にとってもまずは国内感染拡大の防止が最優先だとして、あらゆる措置を講じるとの姿勢を示した。

　　石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）と非ＯＰＥＣ主要産油国で構成する「ＯＰＥＣプラス」が減産強化で合意に至らなかったことを受け、サウジアラビアは日量1000万バレルを十分上回る増産を４月に計画。８日の中東の株式相場は、原油の価格戦争が始まり相場が際限なく下落しかねないとの不安が広がる中で急落した。

　　財務省幹部は９日午前、同省内で記者団に対し、為替市場に神経質な動きがみられるとの見方を示した上で、今まで以上に緊張感を持って見守ると語った。原油の追加減産で合意に至らなかった経済的な影響についても注視する考えを示した。また、金融庁や日本銀行との三者会合（国際金融資本市場に係る情報交換会合）開催はまだ決まっていないとした。

原題：
Oil Crashes, U.S. Stock Futures Plunge in Asia: Markets Wrap（抜粋）

(４段落目以降に菅官房長官の発言や背景を追加して更新します)

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March 09, 2020 at 05:51AM
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