
キンカメ産駒消えディープは今年が最終世代 戦国種牡馬のエース候補を探る
<セレクトセール新時代・上>
来週12、13日に日本最大の競り市「セレクトセール2021」が北海道苫小牧市のノーザンホースパークで行われる。今年は、ともに19年に世を去ったディープインパクトの最終世代が上場され、キングカメハメハ産駒は昨年で上場馬リストから名前を消した。「セレクトセール新時代」と題して、今日から3回連載で展望する。
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今の種牡馬界は戦国時代といえる。今年のセレクトセールは1歳部門でディープインパクトの最終世代が上場され、キングカメハメハ産駒は昨年を最後に上場馬リストから名前を消した。19年にこの世を去った2大巨頭に次ぐ名サイアー、ハーツクライも先月に種牡馬引退が発表されている。覇権を争う“動乱期”に入った。
社台スタリオンステーションの徳武英介氏も「本当に、個の戦いというか。購買者の目も肥えてきていますし、どの産駒から1億円を超える馬が出てきてもおかしくないですね」と語る。ノーザンテースト、リアルシャダイ、トニービン、ブライアンズタイム、そしてサンデーサイレンス。70年代より積極的に海外から導入した種牡馬がエースとなり、日本の血統レベルも段階的に向上した。
ここ10年は「ディープ、キンカメ時代」だった。2強の血を持つ産駒は好走への確実性が比較的高く、配合の“模範解答”も多かった。ゆえに、今は血の飽和状態。秀でた2頭の血を持つ繁殖牝馬にどの馬を交配させ、能力を上乗せするかが新時代の焦点になっている。「今はいろいろな種牡馬をつけて、いいとこ取りできるような遺伝力も問われています。母系がしっかりして種牡馬の特徴を薄めない配合。それをみんなが探している」(徳武氏)。
どの時代も求められるのは万能かつ、高性能な力だ。産駒の実績から、現在絶対的エース候補は3頭に絞られる。ロードカナロアはアーモンドアイなどの初年度産駒の走りを見て、配合を決められた世代が今年のセリに上場される。地盤をより強固にするかが、ここで問われる。
種付け料の観点からはキズナ、エピファネイアの名前が挙がる。前者は20年600万円→21年1000万円。芝、ダート、距離を問わない総合力の高さで評価を上げた。後者は20年500万円→21年1000万円。初年度から無敗3冠牝馬デアリングタクトを輩出し、サンデーサイレンス(母父父)の血が薄いため配合の自由度も高い。初年度の16年はどちらも同250万円。いよいよトップを狙える位置にきた。徳武氏は「カナロアは種付け開始から数年がたち、合う配合をみんなが見つけ始めたといえます。キズナはオールラウンダー。その中でもエピファネイアは抜きんでたと言っていいのかもしれません」と情勢を分析する。
昨年の売却総額は19年に続く200億円超えはならずとも、歴代2位の187億円を記録。2日目の当歳セリでは1億円超えの産駒を出した種牡馬は6頭もいた。今年は初日の1歳セリで上場わずか4頭のディープ産駒が注目されるが、購買者の資金と意欲が自然と分散されるセリになる。産駒たちの値動きは生産界の指標。次世代を占うのが、今年のセレクトセールだ。【松田直樹】(つづく)
◆昨年のセレクトセール 1歳馬部門では、ディープインパクト産駒が落札額の上位5頭までを独占した。1位はシーヴの19(牡)で5億1000万円を記録し、1歳馬部門の歴代1位の高額取引馬となった。2日目の当歳馬部門では、上場馬リストからディープインパクトが消え、ハーツクライ産駒が高額落札の上位3頭を占めた。1位はヒルダズパッションの20(牡)が3億8000万円。金額は税抜き。
◆セレクトセール 日本競走馬協会が主催するサラブレッドセール。1歳馬と当歳馬が対象。高額馬が注目される一方で、イングランディーレ(1310万円)、セイウンコウセイ(1300万円)、アドマイヤムーン(1600万円)、ジャスタウェイ(1200万円)など2000万円以下で取引されたG1勝利馬も輩出。
(ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「セレクトセール新時代」)
【カナロア、キズナ、エピファなど「2021種牡馬博覧会」はこちら】→ 詳細記事
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